借地における増改築承諾料-2

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更新日:2017/06/26

カテゴリー: 不動産豆知識~借地

前回(借地における増改築承諾料-1)から続く

ところで、なぜ増改築承諾料の支払いが必要になるのでしょうか?

借地契約は、建物の所有を目的としたものです。(これは基本ですよね)
一般的な理由としては、
この建物が「古いか、旧借地法で言う朽廃に近い状態か」によって借地更新時期における更新拒絶の正当事由の一部になったり、朽廃であれば旧借地法では借地終了になる可能性も出てきます。
この建物を新しくするわけですから、当然借地権としての権利を高めることになるわけです。

ここでの注意は、現借地借家法と旧借地法では扱いが違うことです。
現借地借家法では、朽廃は通常の滅失(火災・地震・風水害等による建物の消滅)と同じように扱われ、朽廃による借地権の終了はなくなったんですよ。逆に言うと、旧借地法の場合は、朽廃により借地が終了する場合(法定更新をした場合や期間の定めがない場合など)があるのです。

この増改築承諾料の話しは、借地契約上で増改築の禁止特約がある場合の話しとして、第1回で書きましたが、禁止特約であることに充分注意して下さい。
もし先に増改築工事を始めてしまった場合、重大な契約違反となり解約解除事由になることが普通で、裁判所も工事着手後の申立ては状況によっては非常に難しくなります。

なお、部分的な改築や増築、大規模修繕に関しても、承諾料の支払いが必要になる場合がありますが、通常の修繕の範囲であれば、承諾は必要がありません。

書いていてだんだん難しい書き方になってしまいましたが、借地は建物を所有するためには、とても良い権利の一つです。いくつかの大事なポイントさえ間違えなければ、大丈夫です。
もし建替えや修繕の予定がある場合には、できるだけ早めに、地主さんや、私たち町の不動産業者に相談してみて下さいね。
手続きや段取りなどのアドバイスなど、少しずつでも皆様のお役に立てるよう日夜頑張っています。